退職金の制度や相場などを解説


退職金とは?

退職金というのは、企業ごとに規則が決まっているものであり、法律で決まっているものではありません。

そのため、基本的に就業規則で決めていないときは、退職金を企業は支払う必要がありません。

退職金は、企業に長年勤務したことを慰労するために支給されるもので、イメージとしては定年で退職した社員がもらうものが強くあるでしょう。

しかし、退職金は企業を若いときに退職したときでも支給されるときもあります。

また、退職金が支給されるか、どの程度支給されるかは、企業の就業規則に書かれている内容で違ってきます。

退職金の制度とは?

大きく分類すれば、退職金は企業年金制度と退職一時金制度金制度があります。

これ以外に、企業によっては前払い制度もあります。

企業年金制度

企業年金制度としては、確定給付年金(DB)、厚生年金基金、確定拠出年金制度(401K・DC)などがあります。

退職した後、生涯や一定期間にわたって、年金として一定の金額を支給するものです。

退職一時金制度などと一緒に導入する企業もあります。

退職一時金制度

退職したときに退職金が一括して企業側から支払われるものです。

退職金の規定に従って支払われるため、規程が退職するまでに変わらない限り、支給が企業の経営状態とは関係なく確約されています。

企業によっては、確定給付企業年金などに移るところもあります。

前払い制度

月々の給料やボーナスにプラスされることで支給されます。

退職金の相場とは?

では、退職金の相場はどの程度なのでしょうか?

厚生労働省の平成25年の「就労条件総合調査結果の概要」によれば、20年以上の勤続年数で45歳以上の大学卒の退職者に支払った平均の退職金の金額は、定年退職のときが1,941万円、自己都合退職のときが1,586万円でした。

また、退職するときに早期優遇制度を使ったときは、同じ条件の大学卒のときが1,966万円であり、定年退職のときよりも多くなっています。

では、短い勤続年数の人の退職金はどの程度なのでしょうか?

平成28年版の東京都産業労働局の「中小企業の賃金・退職金事情調査」におけるモデル退職金としては、自己都合で大学卒の社員が退職したときは、勤続年数が3年のときは236,000円、5年のときは440,000円、10年のときは1,148,000円でした。

退職金の金額は、当然ですが、企業の従業員数や規模、人事制度などによっても違ってきますが、若い短い勤続年数で退職したときでも、まとまったある程度の金額がもらえるときも多くあることがわかります。

しかし、東京都産業労働局の同じ調査によると、自己都合退職のときは、3年以上勤めなければ退職金が支給されない企業が半分くらいあることもわかっています。

そのため、会社に入って3年以内に退職したときは、退職金が支給されない企業も多くあることを把握しておきましょう。

中小企業の退職金の相場とは?

では、中小企業の退職金の相場はどの程度なのでしょうか?

平成30年度の東京都産業労働局の調査によれば、退職金制度がある企業は約71%で、退職一時金だけがこの中の約76%になっています。

そのため、全体の半分程度が、退職金として退職一時金を支給しています。

また、退職金の支払いに関しては、退職金制度がある企業の約64%が社内で用意しており、中小企業退職金共済制度で用意している企業が約49%になっています。

退職金の計算方法

退職金の計算方法としては、退職金算定基礎額に支給率を掛ける方式の企業が多くあり、退職金がある企業の44%が使っています。

退職金は勤続年数による一定額を支給している企業も多くあり、全体の約22%程度の企業があります。

企業によって退職金算定基礎額の計算方法も違っていますが、企業のほとんどが、退職する時の基本給や一定率をこれに掛けたものに勤続年数を掛けたものを使っています。

退職金が支給される最低の勤続年数

退職金が支給される最低の勤続年数としては、退職する理由が自己都合、会社都合のいずれでも3年が最も多く、次に1年になっている企業が多くあります。

退職金が1年目から出る企業が案外と多いでしょう。

雇用される人が転職によって自由な働き方を要求するようになった時代の流れに、企業が対応していると考えられます。

退職金の特別加算制度

企業によっては功労や役職によって退職金の特別加算制度を導入しているところもあり、退職金がある企業の約37%が導入しています。

退職金の特別加算制度を導入している企業のときは、加算制度を功労によって設定しているところが多くあり、約80%が導入しています。

次に多いのは業務上死傷病で、約20%です。

功労として役職なども含めて加算して、トータル的に評価する企業が多くあります。

このような制度などを利用して、退職金を企業ごとに計算しています。

退職金の勤続年数ごとの相場とは?

ここでは、退職金の勤続年数ごとの相場についてご紹介します。

まず、高校卒の退職金の勤続年数ごとの相場は次のようになっています。

  • 勤続年数が10年のときは自己都合退職で898,000円、会社都合退職で1,227,000円
  • 勤続年数が15年のときは自己都合退職で1,702,000円、会社都合退職で2,230,000円
  • 勤続年数が20年のときは自己都合退職で2,796,000円、会社都合退職で3,441,000円
  • 勤続年数が25年のときは自己都合退職で4,235,000円、会社都合退職で5,049,000円
  • 勤続年数が30年のときは自己都合退職で5,779,000円、会社都合退職で6,778,000円

次に、大学卒の退職金の勤続年数ごとの相場は次のようになっています。

  • 勤続年数が10年のときは自己都合退職で1,215,000円、会社都合退職で1,574,000円
  • 勤続年数が15年のときは自己都合退職で2,298,000円、会社都合退職で2,836,000円
  • 勤続年数が20年のときは自己都合退職で3,733,000円、会社都合退職で4,358,000円
  • 勤続年数が25年のときは自己都合退職で5,697,000円、会社都合退職で6,363,000円
  • 勤続年数が30年のときは自己都合退職で7,852,000円、会社都合退職で8,523,000円

大学卒の退職金の業種ごとの相場とは?

ここでは、大学卒の退職金の業種ごとの相場についてご紹介します。

  • 建設業のときは21,363,000円
  • 建設のときは20,674,000円
  • 銀行のときは11,275,000円
  • 保険のときは33,334,000円
  • 私鉄・バスのときは29,070,000円
  • 百貨店・スーパーのときは24,358,000円
  • 商事のときは34,503,000円
  • 新聞・放送のときは46,523,000円

この大学卒の退職金の相場では、銀行が案外と低くなっています。





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